子育て知恵袋
新生児期からスキンケアをすると、アトピー性皮膚炎の発症が抑制されます
2つの論文を紹介します。
1つは、アトピー素因を持つ両親から生まれた124名の新生児を2群に分け、保湿剤塗布を毎日実施したグループと、塗布しなかったグループを6ヶ月時点で比較したもので、保湿剤を毎日塗った群は、塗らなかった群に比べて、アトピー性皮膚炎の発症が半分に抑えられたという結果が示されています。
もう1つは、国立成育医療研究センターのアレルギー科と皮膚科で行った研究で、両親、兄弟姉妹のいずれかがアトピー性皮膚炎に罹患している118名の新生児を対象として、生後一週間から乾燥した部分にワセリンを塗るように指導された群と、毎日1回以上、全身に市販の保湿化粧品を塗るように指導された群の2群でアトピー性皮膚炎の発症に差があるかを調べたものです。
生後32週の時点で、ワセリン塗布群のアトピー性皮膚炎に対して、毎日保湿化粧品の塗布した群の発症率は30%低下したことが示されています。
これらにより、赤ちゃんのころから保湿剤によるスキンケアを行うことでアトピー性皮膚炎の発症を予防できることを示しています。また皮膚のバリア機能の低下が食物アレルギー発症の引き金になっていることが示されています。
毎日のスキンケアは乳幼児のすこやかな皮膚を維持するだけでなく、アトピー性皮膚炎の発症や、それに続く食物アレルギーの感作を予防できる可能性があり、長期的に見て発育の上でとても大切です。