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医療情報

流行中の H3N2 変異株に対する今年のワクチン選択

【当院での流行状況と変異株について】

現在、当院の発熱外来ではインフルエンザA型の陽性例が増加しており、詳細検査では H3型 が多数を占めています。報道にもある通り、今シーズン世界的に流行している H3N2 は遺伝子変異が進んでいる可能性が指摘されており、約半年前に製造が決定されるワクチン株と完全には一致しない、いわゆる 「ミスマッチ」 が懸念されています。

【ワクチンが依然として重要な理由:重症化予防】

「型が合わないなら接種しても意味がないのでは?」と心配される方もいらっしゃいます。しかし、たとえ流行株とワクチン株が一致しなくても、重症化を防ぐ効果は確実にある ことが多くの研究で示されています。
米国CDCの報告では、ワクチン接種により小児の入院や死亡のリスクが有意に低下することが示されており(Flannery et al., 2017)、さらに英国保健安全保障庁(UKHSA)が2025年に発表したデータでも、昨シーズンの小児(2~17歳)の入院リスクが 約75%低下 したとされています(UKHSA, 2025)。
このため、世界各国の公的機関はワクチン株の一致度にかかわらず、例年通り接種を推奨しています。

【今年、点鼻ワクチンが注目される理由】

昨年から日本でも「注射」と「点鼻(経鼻生ワクチン)」の2種類から選択できるようになりました。
点鼻ワクチンは、注射と異なり、鼻・咽頭の粘膜で IgA抗体 を誘導し、ウイルスの侵入段階でブロックするという仕組みを持っています。IgAは株の違いに左右されにくい 交差防御効果 を示すことが知られており(Tamura et al., 2016)、変異株に対してもメリットがあります。
加えて、小児では経鼻生ワクチンの方が発症予防効果が高かったとする臨床研究もあります(Belshe et al., 2007)。

【ワクチン選択について】

注射・点鼻のいずれを選ばれても、重症化予防という最も重要な効果は十分期待できます。その上で、痛みの少なさや粘膜免疫による変異株への防御力を考慮し、予防接種をご選択いただければと思います。 ご不明な点があれば、診察時に医師へお気軽にご相談ください。